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コンクリートを使った盆栽棚の作り方

盆栽を美しくディスプレイし、安定した環境で育てるためには、盆栽棚(棚場)が重要です。特にコンクリートを使った盆栽棚は、耐久性が高く、風雨にさらされても長期間使えるため、庭や屋外の設置に最適です。自作することで、好みのサイズやデザインにカスタマイズでき、オリジナリティ溢れる盆栽棚を作ることができます。この記事では、コンクリートを使った盆栽棚の作り方をステップごとに解説します。

材料と道具

まずは、盆栽棚を作るために必要な材料と道具を準備しましょう。

材料

  • コンクリートミックス:市販のコンクリートミックスを使用します。小規模な盆栽棚であれば、20kgの袋を数袋用意すれば十分です。
  • 型枠用の木材:コンクリートを流し込むための型枠として使用します。安価なベニヤ板や合板、2x4材が適しています。
  • 金網や鉄筋(補強材):コンクリートの強度を高めるために使用します。特に棚が大きくなる場合には、コンクリートのひび割れを防ぐために必要です。
  • コンクリート用防水剤:棚を屋外に設置する場合、防水剤を塗ることで水分や湿気からコンクリートを保護します。

道具

  • ミキサーまたは混合用容器:コンクリートを混ぜるための道具。大きなバケツやトロ船を用意しましょう。
  • スコップやコテ:コンクリートを混ぜる際や、型枠に流し込んだ後に表面を均すために使用します。
  • 水準器:棚の水平を保つために使用します。
  • 電動ドリル(型枠の固定用):型枠をしっかり固定するために、ビスを使って板を留めるための電動ドリルがあると便利です。
  • 刷毛やローラー:コンクリート用防水剤を塗布する際に使います。

コンクリートを使った盆栽棚の作り方

コンクリートを使った盆栽棚の製作は、基本的なDIY技術があれば十分に取り組むことができます。以下の手順に沿って進めていきましょう。

1. 設計とサイズの決定

まず、盆栽棚のサイズとデザインを決定します。棚の高さ、幅、奥行きは、置きたい盆栽の数やサイズに合わせて決めることが大切です。一般的な盆栽棚の高さは、使いやすい範囲として80〜100cm程度が目安です。棚板の幅は盆栽鉢の大きさに応じて30〜50cm程度に設定し、奥行きは鉢を余裕を持って配置できるようにします。

設置する場所の広さや、棚の段数も考慮しながら、図面を描いて具体的な寸法を決めます。シンプルな1段棚や、多段式にするかによって設計が変わりますが、今回は1段式のシンプルな棚を例に解説します。

2. 型枠の作成

型枠は、コンクリートを流し込むために必要なものです。型枠をしっかりと作ることで、きれいな形の棚を作ることができます。

  • 棚板の型枠:まず、棚板部分の型枠を作ります。ベニヤ板や合板を使用し、必要な大きさにカットします。例えば、幅100cm、奥行き40cmの棚を作る場合、棚板の型枠の内寸がその寸法になるように板をカットし、枠を組み立てます。
  • 脚部分の型枠:脚の部分も同様に、必要な高さと幅に合わせて型枠を作ります。脚の厚みは10cm程度あると安定感が増します。脚の数は棚の幅や重さに応じて、2本または3本にします。

型枠の作成が完了したら、木材がしっかりと固定されているか確認しましょう。型枠が緩んでいると、コンクリートを流し込んだ際に形が崩れてしまうので、ビスやクランプを使ってしっかり固定します。

3. コンクリートの混合と型枠への流し込み

次に、コンクリートを混ぜます。市販のコンクリートミックスに水を加え、スコップやミキサーでよく混ぜます。水の量は袋の指示に従い、あまり薄すぎないように注意しましょう。粘り気のある状態になるまでしっかり混ぜます。

  • コンクリートを型枠に流し込む:コンクリートが混ざったら、型枠に流し込みます。棚板部分と脚部分にそれぞれ流し込んでいきます。空気が入らないように、コンクリートを入れたら型枠を軽く叩き、気泡を取り除きます。
  • 金網や鉄筋を配置する:強度を高めるために、棚板の途中に金網や鉄筋を入れると良いです。コンクリートの途中で金網を挟むことで、ひび割れを防ぎ、棚全体が頑丈になります。

4. コンクリートの仕上げ

コンクリートを流し込んだら、コテを使って表面を平らに仕上げます。この際、水準器を使って水平を確認し、棚が傾いていないことを確認します。表面が滑らかになるまで丁寧に均しましょう。

コンクリートが完全に硬化するまで、少なくとも24時間は乾燥させる必要があります。天候にもよりますが、完全に硬化するには1週間程度かかることがあります。この間、型枠を外さずに放置し、直射日光や雨が直接当たらないようにカバーをかけておくと良いでしょう。

5. 型枠を外す

コンクリートがしっかりと硬化したら、型枠を外します。型枠を丁寧に取り外し、必要に応じてコンクリートの表面をサンドペーパーで軽く磨き、表面を滑らかに仕上げます。

特に角の部分は丸く削ると、見た目が柔らかくなり、手触りも良くなります。もし、コンクリートの表面に小さな気泡やヒビが見つかった場合は、コンクリート修復剤を使って補修します。

6. 防水処理

屋外に設置する場合は、コンクリートの防水処理を行います。コンクリートは水に強いですが、長期間の雨や湿気にさらされると劣化が進む可能性があるため、防水剤を塗ることで耐久性を高めます。

刷毛やローラーを使って、防水剤をコンクリート全体に塗布し、しっかりと乾燥させます。これにより、水分の侵入を防ぎ、長持ちする盆栽棚が完成します。

7. 棚の設置

最後に、完成したコンクリート棚を設置します。設置場所は風通しが良く、日光が適度に当たる場所が理想的です。地面が不安定な場合は、下にブロックや敷石を敷いて棚を安定させます。

また、棚が水平かどうか再度確認し、調整が必要であれば下に板や石を挟むなどして、微調整を行いましょう。

コンクリート盆栽棚のまとめ

コンクリートを使った盆栽棚は、耐久性が高く、外観もシンプルで洗練された印象を与えるため、庭や屋外のディスプレイにぴったりです。手作りすることで、自分の庭や盆栽に合ったサイズやデザインにカスタマイズでき、長く愛用することができるでしょう。

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