花言葉は、その花が持つ特徴や歴史、伝承などから生まれたもので、ポジティブな意味を持つものが多い一方で、ネガティブな意味を持つものも少なくありません。ネガティブな花言葉は、失恋や裏切り、孤独、嫉妬など、人間の負の感情を象徴することが多く、贈る際には注意が必要です。今回は、ネガティブな意味を持つ花言葉を持つ代表的な花々について紹介していきます。
黒いバラ – 「憎しみ」「悲しみ」
黒いバラは、バラの中でも特に暗く重い意味を持つ花です。バラ自体は「愛」や「美」を象徴することが多いですが、黒いバラは「憎しみ」「悲しみ」といった感情を象徴しています。黒は、終わりや死を連想させる色でもあり、黒いバラは「永遠の別れ」や「失われた愛」を意味することもあります。
このため、黒いバラは失恋や深い悲しみ、憎しみといった非常に強い感情を表現する際に使われることがあり、贈る際には慎重に選ぶべき花です。
黄色いバラ – 「嫉妬」「不貞」
黄色いバラは、明るく元気なイメージを持つ一方で、「嫉妬」や「不貞」といったネガティブな花言葉もあります。歴史的に、黄色は変化や不安定さを表す色とされており、恋愛や人間関係において「疑念」や「裏切り」を連想させることから、このような意味がつけられました。
友人や恋人に対して黄色いバラを贈る際には、ポジティブなメッセージとして解釈される場合もありますが、その背景にあるネガティブな意味も知っておく必要があります。
スイセン – 「自己愛」
スイセンは美しい花であり、特に春の訪れを告げる花として愛されていますが、「自己愛」という少しネガティブな花言葉も持っています。この花言葉は、ギリシャ神話のナルキッソスの物語に由来しています。ナルキッソスは、自分自身の美しさに酔いしれ、水面に映る自分の姿を見続けて命を落とした青年で、この物語が「ナルシシズム(自己愛)」の語源にもなっています。
スイセンはその美しさから愛される花であるものの、「自己中心的で他人を顧みない性格」を象徴することから、贈り物としては慎重に選ばれるべき花と言えるでしょう。
アザミ – 「復讐」「厳格」
アザミは鋭い棘を持つ植物で、そのため「復讐」や「厳格」というネガティブな花言葉がつけられています。アザミは一見美しい花を咲かせますが、近づこうとするとその棘が攻撃的な印象を与え、花の持つ防衛本能を象徴しています。
「復讐」という花言葉は、誰かを傷つけた人への仕返しや、心の中に抱える怒りや憎しみを意味します。また、「厳格」という意味も、他者に対して冷たく接する姿勢を表しており、距離を保ちたい相手や警戒を示したいときに使われることがあります。
アネモネ – 「はかない愛」「薄れゆく希望」
アネモネは、その美しさから多くの人々に愛されていますが、一方で「はかない愛」や「薄れゆく希望」というネガティブな花言葉を持つ花でもあります。アネモネの花は非常に繊細で、すぐにしおれてしまうことから、儚さや短命な感情を表すようになりました。
「はかない愛」という花言葉は、短命な恋愛や続かない関係を象徴し、恋愛において悲しい結末を迎えることを予感させます。また、「薄れゆく希望」は、絶望や困難な状況での失望感を表すため、贈る際には注意が必要です。
ヒガンバナ(彼岸花) – 「悲しき思い出」「あきらめ」
彼岸花は、日本では秋のお彼岸の時期に咲くことからその名前がつけられました。そのため、死や別れに関連するネガティブな意味を持つ花として知られています。彼岸花の代表的な花言葉は「悲しき思い出」や「あきらめ」で、過去に戻れない悲しみや、取り戻せないものへの哀愁を表しています。
彼岸花は非常に美しい花ですが、その背後にある意味は、人生の無常さや別れの悲しみを強調しており、死別や失恋を象徴することが多いです。このため、特別な意味を込めて贈る際には、慎重に相手の気持ちを考慮する必要があります。
キンセンカ(マリーゴールド) – 「嫉妬」「別れの悲しみ」
キンセンカ(カレンデュラ)は、鮮やかな黄色やオレンジ色の花を咲かせることから、明るい印象を与える一方で、「嫉妬」や「別れの悲しみ」というネガティブな花言葉も持っています。キンセンカは、古代から儀式や薬草として用いられてきた歴史があり、その花言葉も古くからの象徴に由来しています。
「嫉妬」は、恋愛や人間関係における負の感情を表し、「別れの悲しみ」は過去に対する深い後悔や未練を象徴しています。鮮やかな色合いとは裏腹に、この花を贈る際にはその背後にある暗い意味に注意が必要です。
チューリップ(黄色) – 「見放された愛」
チューリップは春を彩る人気の花ですが、特に黄色のチューリップには「見放された愛」というネガティブな花言葉がつけられています。チューリップ自体は「愛」や「幸福」の象徴とされていますが、黄色は孤独や失望を意味することから、このような意味が生まれました。
「見放された愛」という花言葉は、恋愛関係での失敗や、愛が終わってしまった状況を象徴し、贈る相手によっては誤解を招くこともあるため注意が必要です。
ネガティブな花言葉を持つ花のまとめ
花言葉には、ポジティブな意味だけでなく、ネガティブな感情や状況を象徴するものも多く存在します。黒いバラや彼岸花のように、死や別れ、憎しみを表す花もあれば、スイセンや黄色いバラのように、自己愛や嫉妬などの負の感情を象徴する花もあります。これらの花言葉は、深い感情や複雑な人間関係を表す際に用いられることが多いですが、贈り物としては慎重に選ぶことが大切です。
花を贈る際は、相手に伝えたいメッセージやシチュエーションをよく考え、その花が持つ花言葉の意味をしっかりと理解した上で選ぶことで、より心のこもった贈り物ができるでしょう。